ロードバイク歴5年のヒルクライム好き。永遠の初心者よしてるです。
ブレーキは自転車の中で最も重要な部品です。
消耗品であるリムブレーキのシュー交換頻度は、摩耗度合いに関わらず年に1回は交換した方が良いです。
ディスクブレーキのパッドは、パッド厚1mm程度が交換目安となります。
やり方さえ知っていれば初心者でも簡単に交換が可能です。
この記事では、リムブレーキとディスクブレーキのブレーキシュー・パッドの交換方法をご紹介します。
注)コンポーネントとして最もメジャーであるShimano製品の交換方法を解説しています。
交換時期の目安
リムブレーキは溝と使用期間を確認
リムブレーキはブレーキシューの溝を確認します。
溝がまだ残っていれば大丈夫です。完全になくなる前に交換しましょう。
溝の残量が十分でも年に1回は交換を推奨します。
ブレーキシューはゴムなので、経年劣化で固くなり制動力が落ちるためです。
2年間使い続けたブレーキシューと新品を比較してみましょう!
溝はまだありますが、劣化状態は一目瞭然。
まだ使うことは出来ますが、制動力は新品と比べると雲泥の差です。
ヒビ割れもありゴムの弾力性が失われています。
- 溝の深さが浅くなったら交換
- 経年劣化を考慮して、残量が十分でも年に1回は交換推奨
ディスクブレーキはパッド厚を確認
ディスクブレーキはパッド厚さが1mm程度になったら交換時期です。
Shimanoマニュアルでは「パッド厚0.5mm以上」とありますが、0.5mmまで摩耗したら早急に交換が必要です。
余裕をもって1mm程度になったら交換を推奨します。
油圧ディスクの場合は、仕組み上パッドが減ってもブレーキの引き代が変わらないので摩耗に気づきにくいです。
定期的に目視で確認しましょう。
- パッド厚が1mm程度になったら交換
- 油圧ディスクはパッドが減ってもブレーキの引き代が変わらない
リムブレーキ:ブレーキシュー交換方法
ブレーキシューの種類
ロード用リムブレーキのブレーキシューは主にカートリッジタイプと台座一体タイプの2種類です。
それぞれ交換方法が異なります。
カートリッジタイプはDURA-ACE・ULTEGLA・105のブレーキです。
カーボンリムに対応したブレーキシューもあります。
台座一体タイプはTIAGRA・SORA・Clarisのブレーキに対応。こちらはアルミリムのみの対応です。
自分の持っている自転車に対応したブレーキシューを買いましょう。
カートリッジ | 台座一体 | |
---|---|---|
グレード | DURA-ACE ULTECLA 105 | TIAGRA SORA Claris |
ブレーキシュー型番 | R55C4(アルミリム) R55C4(カーボンリム) | R50T5 |
対応リム | カーボンリム用 アルミリム用 2種類がある | アルミリム用のみ |
※台座一体のR50T50はAmazonで単品が売ってないのでY’s Roadオンラインのリンクを貼っておきます。
Y’s Roadオンラインは7,000円以上購入で送料無料。
他商品と合わせて買うか、送料不要の店頭受取がおすすめです。
カートリッジタイプ:交換方法
カートリッジタイプと台座タイプでは交換方法も異なります。
カートリッジタイプの交換方法は一番簡単です!
手順①:ブレーキシュー側面のネジを外す
ブレーキシュー側面の小さなネジを六角レンチで外します。
ネジを外せばブレーキシューを横にスライドさせて外す事ができます。
手順②:新品のブレーキシューをセット
①と逆の手順で新品のブレーキシューをセットします。
カートリッジタイプのブレーキシューには左右と差し込み方向に指定があるので間違えないように注意して下さい。
締め付けトルクは1-1.5Nmです。
ブレーキシューを新品にすると、リムとブレーキのクリアランスが変わります。
ブレーキのアジャスターを回してクリアランスを調整しましょう。
台座一体タイプ:交換方法
手順①:シュー横のボルトを外す
手順②:新品のブレーキシューを仮締め
ワッシャが2枚あるので順番を間違えないように注意!
ブレーキ本体のアームをワッシャ2枚で挟んで仮締めする。
厚いワッシャには向きがあり、ブレーキシューの金属面に沿うように、片面にアーチがかかっています。
台座タイプに左右はありません。取付時は上下方向にのみ注意しましょう。
手順③:位置決めと本締め
この作業が少々面倒です。
ブレーキシューがリム面に収まるように位置決めをして本締めします。
位置出決めと本締めはブレーキを握りながら行うと比較的やり易いです。ここポイント!
誰かにブレーキを握っててもらうと更に楽に作業できます。
締め付けトルクは5-7Nmです。
Shimanoのマニュアルにはトーイン角度を付けると良いとありますが、これが難しいです。
ですが、トーインを付けなくとも問題なくブレーキは効くので気にしなくて大丈夫です。
ブレーキシューの位置調整
出典:Shimano ディーラーマニュアル
(y)がトーイン角度
URL:https://si.shimano.com/ja/pdfs/dm/RBBR001/DM-RBBR001-01-JPN.pdf
動画で解説
実際の作業手順を見ることで、より具体的なイメージを持つことができると思います。
カートリッジタイプ・台座一体タイプ両方のパッド交換の手順を解説している動画を載せておきます。
ディスクブレーキ:パッド交換方法
パッドの種類
ディスクブレーキはリムより製品種類が多くて交換も面倒です。
パッドは材質や冷却フィンの有無で6種類に分かれます。
参考に商品リンクを載せておきます
L04C-MF
K04Ti-MX
K04S-MX
L05A-RF
K05Ti-RX
K05S-RX
メタルとレジンではメタルパッドの方が価格が高いです。
材質の違いによる特徴の違いは以下のようになります。
パッド材質 | 特徴 |
---|---|
メタル | 制動力が高い ローターが摩耗しやすい ブレーキの音鳴りが出やすい |
レジン | コントロールしやすい ブレーキの音鳴りが出づらい |
冷却フィンが付いていると放熱性能が高くフェードが起こりにくく高性能ですが、価格も高いです。
※フェードとは
長い下り坂などでブレーキを使い続けるとブレーキローターとブレーキパッドが高熱を持ち、ブレーキの効きが悪くなる現象。
バックプレートはチタンにすることでパッド重量が軽量になります。
しかし、ブレーキパッドの重さは10数gなので気にしなくていいレベルと個人的には思います。
色々と試して自分好みのパッドを見つけましょう!
機械式ディスクブレーキ:パッド交換方法
ホイールは外してから作業して下さい。
手順①:(Y)スナップリングを外し、パッド固定ボルトを外す
固定ボルトを外すとパッド(Z)が取り出せます。
出典:シマノ ディーラーマニュアルより
URL:https://si.shimano.com/ja/pdfs/dm/RBMBR01/DM-RBMBR01-00-JPN.pdf
手順②:クリアランスを広げる
図中(V)のネジで車輪側、ワイヤーアジャスターで車体外側のパッド位置が変わります。
出典:シマノ ディーラーマニュアルより
URL:https://si.shimano.com/ja/pdfs/dm/RBMBR01/DM-RBMBR01-00-JPN.pdf
手順③:新しいパッドを入れる
手順①の逆手順で新品のパッドを入れます。
冷却フィンが付いているパッドはL/Rの指定があるので気を付けましょう。
スナップリング(Z)を忘れずに装着して下さい。
締め付けトルクは2-4Nmです。
出典:シマノ ディーラーマニュアルより
URL:https://si.shimano.com/ja/pdfs/dm/RBMBR01/DM-RBMBR01-00-JPN.pdf
手順④:クリアランス調整
ブレーキローターとパッドのクリアランスを調整します。
(V)で車輪側、(W,X,Y,Z)のワイヤアジャスターで車体外側のクリアランスが調整出来ます。
ローターとパッドの適正クリアランスは両サイドそれぞれ0.2〜0.4mmです。
出典:シマノ ディーラーマニュアルより
URL:https://si.shimano.com/ja/pdfs/dm/RBMBR01/DM-RBMBR01-00-JPN.pdf
油圧式ディスクブレーキ:パッド交換方法
機械式同様、ホイールは外してから作業して下さい。
ディスクブレーキは、パッドが摩耗するにつれてピストンが徐々に突き出し、ローターとブレーキパッドの間隔を自動的に調整するように設計されています。
この性質上、パッド交換の際に突き出たピストンを戻す「ピストンプレス」が必要です。
手順①:(B)スナップリテーナーを外し、パッド固定ボルトを外す
手順①は機械式ディスクブレーキと同様の作業です。
出典:シマノ ディーラーマニュアルより
URL:https://si.shimano.com/ja/pdfs/dm/RADBR01/DM-RADBR01-10-JPN.pdf
手順②:ピストン周辺を掃除します
パッド交換において必須では無いですが、ゴミがたまっているはずなのでやりましょう。
布等で拭き上げてください。
手順③:ピストンプレスでピストンを奥に戻す
ピストンプレスが無い場合は、大き目なマイナスドライバーでも代用可能ですが、ピストンを傷つけないように注意してください。
手順④:新しいパッドを入れる
冷却フィンが付いているパッドはL/Rの指定があるので気を付けましょう。
スナップリテーナー(B)の付け忘れに注意してください。
締め付けトルクは0.2-0.4Nmです。
出典:シマノ ディーラーマニュアルより
URL:https://si.shimano.com/ja/pdfs/dm/RADBR01/DM-RADBR01-10-JPN.pdf
手順⑤:ホイールを取り付けてブレーキを数回握る
油圧ディスクはこの作業によりピストンが押し出され、パッドが適正位置に戻ります。
クリアランス調整が無いので楽ですね。
動画で解説
実際の作業手順を見ることで、より具体的なイメージを持つことができると思います。
油圧ディスクのパッド交換の手順を解説している動画を載せておきます。
機械式の解説動画も載せたかったのすが、何故か見当たりませんでした。
どうやらロード界隈でディスクと言えば油圧が主流になっている様です。
ブレーキシュー&パッド交換方法まとめ
自転車で最も重要な部品、ブレーキのメンテナンス。
ブレーキシューとパッドの交換時期の目安は以下の通りです。
リムブレーキ | 溝の深さが浅くなったら 又は1年間使ったら |
ディスクブレーキ | パッド厚が1mm程になったら |
リムブレーキはカートリッジタイプと台座一体タイプの2種類のブレーキシューがあります。
カートリッジタイプ⇒R55C4 アルミリム用 / カーボンリム用
台座一体タイプ⇒R50T5ロード用ディスクブレーキのパッドは6種類。
それぞれ特徴があるので、色々と試して自分好みのパッドを見つけましょう!
参考に商品リンクを載せておきます
L04C-MF
K04Ti-MX
K04S-MX
L05A-RF
K05Ti-RX
K05S-RX
ブレーキシュー&パッドの交換方法に関しては以上です。
読んで頂きありがとうございました!!