ロードバイク歴5年のヒルクライム好き。永遠の初心者よしてるです。
長引く梅雨や雪の続く冬など、ロードバイクに乗れない時期でも「トレーニングを続けたい!」と考えるサイクリストは多いはず。
そんな時に役立つのが、スマートトレーナーを使った室内トレーニングです。
近年、Zwiftに代表されるトレーニングアプリが普及し、自宅にいながらにして実走に近い感覚でトレーニングできる環境が整ってきました。
しかし、いざ室内トレーニングを始めようと思っても、ワークアウトメニューの多さや専門用語に戸惑い、何から手をつければ良いのかわからないと感じる方もいるかもしれません。
この記事では、スマートトレーナーを利用したの室内トレーニングについて、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
- トレーニングアプリの紹介
- 知っておきたい専門用語
- 最初にやるべきFTP計測
- おすすめのZwiftワークアウト
これら内容を幅広くご紹介。
さらに、筆者独自の室内トレーニングメニュー「Over FTP」についてもご紹介しますので、ぜひ日々の練習の参考にしてください。
この記事を読めば、あなたの室内トレーニングがより充実したものになるはずです。
スマートトレーナーを持っていないけど雨の日もトレーニングしたい!そんな方はこちらの記事を参照ください。
トレーニングアプリの紹介
最も有名な室内トレーニングアプリは皆さんご存じZwiftですが、実は他にも多くのアプリが存在します。
幾つかのアプリとその価格を紹介します。
アプリ | 月額料金 (目安) |
---|---|
Zwift | 2,400円 |
MyWhoosh | 無料 |
ROUVY | $15 |
TrainerRoad | $22 |
Wahoo SYSTM | 2,500円 |
Tacx Training | 1,480円~ |
Kinomap | €12 |
上記の価格は為替レートやプラン内容の変更により変動する可能性がありますので、最新の情報は各アプリの公式サイトでご確認ください。
アプリだけでもたくさんの種類がありますね。
それぞれ特徴はありますが、オススメは最も人気の高いZwiftと無料で使えるMyWhooshです。
Zwift

世界中のサイクリストとバーチャルな空間で一緒に走れる、非常に人気の高いアプリです。
豊富なバーチャルコースがあり、トレーニング、グループライド、レースなどのイベントが多数開催されています。
Zwiftは日本語にも対応しておりチュートリアルもあるので、非常に使いやすいです!!
他アプリはほとんど日本語に対応しておらず、英語が苦手な方は少し戸惑うかもしれません。
料金が月額2,400円(2025年5月時点)です。
他アプリも似たような価格帯なので、Zwiftが特別高いわけではなさそうです。
最も使われているトレーニングアプリのため、圧倒的なユーザー数を誇ります。
バーチャルコースやワークアウトの数も豊富でやり尽くせないほどです。
MyWhoosh

トレーニングアプリ界に革命を起こしたMyWhoosh(マイウーシュ)。
驚きなのがその価格!なんと無料!!
「安かろう、悪かろう」かと思いきやそんなことはなく、UCI※ Esports World Championshipsの公式プラットフォームにも選ばれるくらい有用性が高いアプリです。
※UCI:国際自転車競技連合
僕も使ってみましたが、トレーニングはZwiftに劣ることなくしっかりできました!
しかしながら、無料なのでやはり欠点もいくつかありました。
(2025年5月時点)
- チュートリアルがなく使い方に戸惑う
- 走行中はBGMが消えて無音になる
- 言語は英語表記のみ
これらの欠点が思い当たりますが、正直トレーニングに直接影響するものではないので、MyWhooshで十分かと僕は思います。
アップデートで改善されれば非の打ちどころがなくなりますね!
専門用語の解説
トレーニングアプリは何かと専門用語が多く使われます。
Mywhooshのワークアウト説明画面を見てみましょう。

この画面だけでもIF・TSS・FTPと3つも用語が出てきます。
これらの意味を知っておくとワークアウトの内容がより理解できるようになるので知っておいて損はないです。
FTP
FTP はご存じの方が多いと思います。
Functional Threshold Power(機能的作業閾値パワー)のことで、1時間継続できる上限のパワー値です。
多くのアプリにおいてワークアウトの負荷はその人のFTPを基準に設定されるので、とても重要な数値です。
この値を体重で割るとパワーウェイトレシオが出ます。
パワーウェイトレシオ
体重1kgあたりのFTPであり、W/kgで表します。
パワーウェイトレシオは、非常にシンプルな計算で算出できます。
パワーウェイトレシオ (W/kg) = FTP(W) ÷ 体重 (kg)
ヒルクライムでは、パワーウェイトレシオが高いライダーほど有利とされます。
W/kg | 強さの目安 |
---|---|
6.0以上 | ツール・ド・フランス出るレベル |
5.0~ | 国内の実業団上位レベル |
4.7~ | プロに近い |
4.0~ | レースで上位を狙える |
3.1~ | ロードバイク乗りまくってる人 |
2.5~ | 定期的にロードバイクに乗っている人 |
2.4以下 | 一般的なサイクリスト、初心者レベル |
ちなみに、僕のパワーウェイトレシオは2.7W/kgくらいです。
VO2max
VO2maxとは最大酸素摂取量のことで、運動中に身体がどれだけ効率的に酸素を取り込み、利用できるかの能力を示す指標です。
具体的には1分間に体重1kgあたり、体内に取り込むことができる最大の酸素量[ml/kg/分]を意味します。
VO2maxを正確に知るには専門機関を利用する必要があり、計測のハードルが高いです。
その代わり、正確性は劣りますが、パワーデータから簡易推定することも可能。
Zwiftを使っている人ならば、公式HPにログインしてマイフィードを参照してください。
アクティビティ履歴から推定されたVO2maxを確認できます。

VO2max [ml/kg/分] | 強さの目安 |
---|---|
70以上 | ツール・ド・フランス出るレベル |
60前後 | アマチュアトップレベル |
50~ | 普通に強いひと |
40前後 | 運動が趣味の人 |
30未満 | 運動してない人 |
IF
IF=Intensity Factorで運動強度を示すので、数値が高いほどキツいワークアウトになります。
トレーニングやライドの運動強度が、個人のフィットネスレベル(FTP)に対してどれくらいの割合だったかを示す指標です。
IF=1の場合、ちょうどFTPと同じ強度で走ったことを意味します。
IF | 運動強度の目安 |
---|---|
1.15以上 | 非常に短い全力走行 |
1.05〜 | クリテリウム、短いタイムトライアル |
0.95〜 | FTP走、短時間のロードレース |
0.85〜 | 中強度のライドや長距離のロードレース |
0.75〜 | 耐久走、中低強度のライド |
0.75未満 | 回復走、非常に低い強度のライド |
TSS
TSS=Training Stress Scoreでありトレーニングにより体にかかる疲労を数値化したもの。
FTP強度で1時間走った場合、TSSは100になります。
TSSの数値は、トレーニングによる身体への負担と、それに対する回復に必要な時間の目安として利用されます。
TSS | 回復目安 |
---|---|
450以上 | 非常に負荷の高いトレーニング。 回復には数日かかる。 |
300~ | かなりきついトレーニング。 回復に2日以上かかる可能性あり。 |
150〜 | 中程度のトレーニング。 翌々日には回復する。 |
150以下 | 比較的軽いトレーニング。 翌日には回復する。 |
0.75〜 | 耐久走、中低強度のライド |
0.75未満 | 回復走、非常に低い強度のライド |
パワーゾーン

ワークアウト説明では各セクションが負荷ごとにZ1~Z6で色分けされています。
Z=Zoneであり、これはパワーゾーンとよばれ、FTPを基準として出力を7つのゾーンに分けたものです。
各ゾーンごとにトレーニング効果が異なります。
Zone | FTP比 | トレーニング効果 |
---|---|---|
Z7 | 151%以上 | 爆発的なパワーを発揮する能力の向上。 |
Z6 | 121%~ | 短時間で高出力を出す能力の向上。 |
Z5 | 106%~ | 最大酸素摂取量(VO2max)の向上。 心肺機能の限界を押し上げる。 |
Z4 | 91%~ | FTPそのものの向上。 高強度で長時間維持する能力を鍛える。 |
Z3 | 76%~ | 肺機能の向上。持久力の向上。 テンポ走の運動強度。 |
Z2 | 56%~ | 基礎的な有酸素能力の向上。 毛細血管の発達、ミトコンドリアの増加。 |
Z1 | 55%以下 | 積極的に疲労回復を促進する。 アクティブ・リカバリー。 |
SST: Sweet Spot Training
SSTとは疲労の蓄積を抑えつつ、最大限の効果を引き出すという、まさに「おいしいところ(Sweet Spot)」を狙ったトレーニングです。
キツ過ぎないけど楽でもない、ちょうど良い疲労感を得られます。
SSTの強度は、一般的にZone 3の上限からZone 4の下限にかけての領域あたりです。
- FTPの向上
- 巡行能力の向上
- ミトコンドリアの増大と機能強化
- 乳酸処理能力の向上
- 基礎的な持久力の向上
まずはFTP計測
アプリにおいてワークアウトの負荷はFTPを基準に決められます。
つまり、正しいFTPがアプリに記録されていないと適正負荷でワークアウトができません。
何よりもまずはじめにFTPテストを行いましょう!
FTPテストはいくつか種類ありますが、ZwiftではFTPテスト(ショート)での計測が最も一般的です。

FTPテストでは20分のフリーライド区間の平均パワーからFTPを算出します。
フリーライド区間は全力を出し切ってください!!
これがまぁ結構キツイんですよね。
FTPテスト毎日やってるだけで強くなれそうな気がします。
テスト終了後、FPTの結果が出ます。
FTPテストは月に1回やったほうが良いみたいです。僕はやってないですスミマセン。
オススメのワークアウトはインターバルトレーニング
インターバルトレーニングとは、高強度の運動と低強度運動を交互に繰り返すトレーニング方法です。
心肺機能の強化に大きな効果があると言われています。
インターバル中は高い負荷が体にかかり注意力が散漫になりがちなため少々危険です。
室内トレーニングなら交通事故の危険がないため、パワーを振り絞ることに集中できます。
インターバル中もアプリによって強制的に目標出力が出されるので、自力で出力を調整する必要もありません。
スマートトレーナーを使った練習は、インターバルトレーニングをするのにピッタリなのです!!
Zwiftのワークアウトからオススメのインターバルトレーニングをいくつかピックアップしたのでご紹介します!
- Zwiftのワークアウトに表示されているSPはTSSと同じ意味
- インターバルトレーニングはハードなので、週に1〜2回程度が目安
Sevens

時間 | 30分 |
TSS | 34 |
効果 | アタック力、スプリント力の向上 |
30秒の高強度と1分のレストを繰り返します。
インターバルトレーニングの中でもHIIT(High Intensity Interval Training)に属するワークアウトです。
無酸素インターバルなので短時間で高出力をだす能力の向上が期待できます。
30分と短時間で終わるので、サクっとトレーニングしたいときにオススメ。
Lionel Sanders’ Green Day Workout

時間 | 43分 |
TSS | 62 |
効果 | VO2max向上 |
3分の高強度と2分のレストを繰り返すトレーニング。
高強度区間が3〜5分のインターバルはVO2max向上に役立ちます。
Breakfast Returns

時間 | 60分 |
TSS | 80 |
効果 | VO2max向上 |
30秒の高強度と30秒のレストを繰り返すトレーニングです。
これもHIITの一種で30-30インターバルと呼ばれています。
1セットあたりの繰り返し回数が多く、総運動時間は比較的短くても、身体には相当な負荷がかかります。
「非常にきつい」「全力ダッシュに近い」と感じる強度で、30秒間で全力を出し切るイメージ。
高強度時のケイデンスは100rpm以上を意識し、中〜高めのギアで行うことが多いです。
このワークアウト結構キツイです。最後の方は30秒がめっちゃ長く感じます。
よしてるオリジナルメニュー
たまにはワークアウトで設定されたパワーに縛られず自分の意志で自分を追い込みたいですよね?
そんな方にオススメな僕のオリジナルメニュー、その名も「Over FTP」です。
Over FTPのやり方は次の通り
- 20~30分で終わるルートを選択
- FTP以上の平均パワーで完走する
これだけ!!
平均パワーは画面上に表示されています。
Zwiftなら左上あたりです。

FTPは1時間維持できる限界パワーなので、1時間以内なら理論上維持できるはず!
しかし実際にやってみるととてもキツいトレーニングです。
- 機械に頼らず自分の意志でパワーを維持するので精神力が鍛えられる
- パワーは自分の頑張り次第なので実走に近い
- とてもキツいけど達成感があって楽しい
僕が勝手にやってるだけのトレーニングなので効果のほどは定かではありませんが、精神力は鍛えられると思います。
キツいけど結構楽しいです。皆さんも是非やってみてください!!
まとめ
スマートトレーナーで室内トレーニングするときに使うアプリはいくつかありますが、ZwiftかMyWhooshがオススメ!
Zwift | ユーザー数No1の人気アプリ。 日本語対応でチュートリアルもあり非常に使いやすい。 |
MyWhoosh | 欠点もいくつかあるが、トレーニングに影響するものではない。 無料であることが最大のメリット |
アプリ内ではTSSやSSTなどの専門用語が頻繁に出てくるので戸惑うかもしれません。
専門用語を知っておくとワークアウトが選びやすくなります。
適正負荷でトレーニングするためにアプリを始めたらまずFTPテストを行いましょう!
ワークアウトは公道で実践しにくいインターバルトレーニングがオススメです!
自分でルートを選択して走るフリーライドでは、筆者オリジナルメニュー「Over FTP」にも是非挑戦してみてください。
- 20~30分で終わるルートを選択
- FTP以上の平均パワーで完走する
Over FTPのトレーニング効果は不明ですが、自分の意志でパワーを維持するので精神力は鍛えられると思います。
なにより達成感があって楽しいです!
おすすめの室内トレーニングメニューの記事は以上です。
読んで頂きありがとうございました!
当サイトはロードバイク入門から
超級山岳攻略までの道のりを
紹介しています。
他にも役立つ関連情報を掲載中!
是非トップページからご覧ください!